【記想録】天下また乱世となるべし

家康公関ケ原の一戦に若(もし)打負たまはば、天下又乱世となるべし。然らば我先九州を打したがへ、其勢を以(もち)、中国を平げて、上方へ攻上り、家康公秀忠公を助け、逆徒をほろぼし、天下を一統して、忠義を盡(つく)さんと思ひしなり。然れ共、家康公関ケ原の戦に、御運を開かせ給ひ、今天下太平になりしかば、我世において別につとめなし。
貝原益軒/黒田家譜 […本文へ]