月形半平太って誰? (1919年)

-薩長同盟のもう一人の立役者、月形洗蔵-

「月様雨が」
「春雨じゃ濡れて参ろう」

月形半平太は大正時代にヒットした舞台劇「月形半平太」の主人公の名前です。この架空の志士のモデルは土佐の武市半平太らしいのですが、苗字の月形は福岡の志士、月形洗蔵よりとられたものではないかといわれています。
月形洗蔵は福岡藩での幽閉の時期が長く、志士として活動できたのが約1年と短かったためか、幕末の志士としては広くは知られてはいないようです。しかし、その1年の間に五卿、長州の高杉晋作や薩摩の西郷隆盛、土佐の中岡慎太郎等と交流をもち、月形家には西郷の手紙が現存するそうです。
その行動と関係のあった志士から判断しても薩長同盟成立に深く関わったのは間違いなく、その活躍から考えてもっと注目されてもいい志士なのではと思われます。